
●あらすじ |
無事にヴァルドエルの家へと帰ってきた二人。 早くも由香利を求めようとしたヴァルドエルを引き止め、 由香利は「久しぶりだから、ゆっくり優しく」と初心な反応でヴァルドエルに頼み込む。 その言葉に受け入れるヴァルドエルだったが、それは由香利が思っていたのと違う解釈で……!? こうして、濃密な二人の三日間の幕が開く。 |
●立ち読み |
「啼かせ……続ける?」
「由香利が望んだんだぞ。三日間、ゆっくり優しくって」 ニヤリと笑ってヴァルドエルは由香利の膝の裏に左腕を回すと持ち上げた。バランスを崩した背中を右手が支える。横抱きにすると由香利は真っ赤になって急におとなしくなった。今までも持ち上げればおとなしくなったが、熟れた果実のように赤くなっている姿は初めてだ。由香利はこの抱き方がどうやら相当恥ずかしいらしい。そうして恥ずかしがっている由香利が可愛くて、ヴァルドエルの口角が知らず持ち上がる。 ベッドに運んでゆっくり降ろす。ギシリと音をさせて由香利の顔の真横に手を置くと、黒い瞳がおずおずと見上げてきた。追い詰められた小動物のようにおどおどしながらも、その体からは花のかぐわしい匂いが漂ってきてヴァルドエルを惹きつける。 ついばむような口づけを繰り返しながら、力の抜けた由香利のワンピースの腰ひもをするりとほどき、 服も手早く脱がせる。白い裸体が太陽の光の元あらわになった。ゆっくりと言った直後の手早い動きにヴァルドエルは自分で苦笑する。 抑えようと試みてはいるものの、どうしても我慢できない欲望が体を動かす。由香利の体にむしゃぶりつきたい思いを抑えてヴァルドエルは上から眺めるようにして視線を白い身体に這わせた。 白い肩、柔らかな胸、くびれた腰、固く合わさった腿、細い足首。下まで撫で下ろすように眺めて再び視線をゆっくり上げていく。最後に由香利の瞳を見つめれば、すでに潤んでいて誘うように唇が開いている。 その唇に口づける。優しく、触れるだけの口づけを繰り返す。ついばむように、羽のように軽く撫でるように。 「ん……」 小さな声が由香利から漏れる。開いた唇から舌を差し込んでも、やはり由香利のそれは応えるどころか逃げ惑う。それを絡めとって吸う。由香利は恍惚とした表情を浮かべた。そうしてゆっくりと解きほぐすように舌を愛撫してやれば、少しずつ応えるように動き出す。 顔を赤くして目をつむったまま必死で応えようとする由香利の頬に触れ、さらに深く奥を探る。 「んんっ……ふ」 ふっくらとした柔らかな唇を離す。見上げてきた瞳は艶っぽく光っている。また唇を重ね、頬へ口づけた。耳に唇で触れれば、くすぐったそうに首をすくめた。輪郭を辿る様にちろちろと舐めれば、小さな声が上がる。くすぐったいだけではなく、ちゃんと感じている声に耳たぶを甘噛みする。 「やっ……ん」 ピクリと肩が震えた。その肩を撫でるように手のひらを這わせる。肩から腕、手首を通り指まで来るとそれを持ち上げて唇を寄せた。ぺろりと舐めればまた肩が震える。 由香利の細い人差し指。それをヴァルドエルは口に含んだ。 「………っ!」 引っ込めようとする手をとらえて舌で味わうように舐めとる。 「指……舐めても、おいしくないよ」 「由香利はどこも甘い。それに、感じねえか? 指、こうされると」 くわえた指を、唇を滑らせるようにして抜いていく。舌を絡めて爪の先まで抜くと、再びゆっくりくわえこんだ。指の腹を舌でくすぐり指全体を丁寧に舐める。ぴちゃぴちゃと音がして、由香利は恥ずかしそうに身悶えた。ぴくっと手が震えて小さな吐息が漏れた。 「ふ……っ」 「指でも感じるだろ。由香利はどこもが性感帯だからな」 指先をぺろりと舐めると、腕の内側に唇を滑らせた。それだけでも由香利はピクリと体を震わせる。柔らかな二の腕、細い肩、鎖骨へと唇を這わせて、鎖骨の下あたりに吸い付いた。赤い痕が白い肌に残る。所有印を刻むように同じ場所に何度も吸い付く。赤い痕が濃くなり、その場所を丁寧に舐めた。 首筋に舌を這わせながら、胸の膨らみに手を添えて全体をゆっくりと揉む。由香利の膨らみはヴァルドエルの大きな手には小さく、けれど例えようのないほど柔らかい。中心で身を硬くする綺麗に色づく蕾には触れず、ヴァルドエルは胸の周りを唇で愛撫する。そうして焦らしておいて、時々触れるか触れないかのかすかな感触で、舌の先で蕾をちろっと舐めた。 「あっ!」 焦らされた体はぴくっと跳ねて由香利から声が上がる。それでもまだ触れない。敏感な蕾には舌でも指でも触れず、周りだけをやわやわと揉むように触り舌でくすぐる。 さんざん焦らして由香利の息が上がった頃合いを見計らい、何の前触れもなく蕾を口に含んで強く吸った。 「ああああっ!」 |
![]() |
優しく啼かせて 2 |
久遠縄斗 著:北沢きょう 画 12月25日発行 1,200円(税抜) |
めでたしの後もずっと幸せ。
『私らしさ』を愛されるオトナのプレミアム恋愛レーベル【ディアノベルス】創刊!!
自分の魅力を知った女性は「したたかわいい」
Tweets by dear_novels